2020年5月21日
株式会社CEホールディングス(東証一部)は、本日開示した「株式会社駅探に対する株主提案に関するお知らせ」に記載の通り、持分法適用関連会社である株式会社駅探(以下、「駅探」といいます。)に対し、駅探が本年6月に開催を予定しております第18回定時株主総会(以下、「本定時株主総会」といいます。)における株主提案権(以下、「本株主提案」といいます。)の行使を請求しております。当該開示内容と一部重複しますが、このプレスリリースでは、その経緯や背景等の補足情報をお知らせいたします。
当社は、駅探の総株主の議決権の10分の1以上を6か月前から引き続き有する株主(本年3月31日現在の議決権比率 30.871%)であり、後記「1.本株主提案に至る主な経緯」の通り、本年4月17日開催の当社取締役会において、本株主提案を行う旨を決議し、同4月20日付で「株主提案権行使に係る請求書」を駅探に送付しております。
本株主提案の目的は、駅探現経営陣の変更により企業価値向上を実現することにあり、その内容は後記「2.本株主提案の目的」の通りです。
本株主提案の内容は、①取締役7名選任の件(候補者に現駅探管理職社員3名を含む)、②補欠監査役2名選任の件の二つを議案とするもので、その内容は後記「3.本株主提案の概要」の通りです。
当社はこれまで、駅探の自浄作用に期待し、本定時株主総会において駅探の会社提案として、本株主提案の内容を反映した議案を上程するよう働きかけを行ってきたため、当社からの公表を控えておりました。しかしながら、駅探は当社との話し合いを拒否し、また当社以外の駅探株主による仲介も不調に終わり、当社が公表を控える理由が無くなったこと、加えて、今後駅探は、新型コロナウイルスによる影響を理由として本定時株主総会の開催及び議決権行使の基準日を不当に延期し、新たな基準日までの間に資本異動を行うことにより、当社さらには一般の駅探株主の権利を毀損するおそれもあることから、今回開示を行うことといたしました。
なお、当社は駅探より、本年5月18日昼に駅探の決算数値(駅探監査法人による監査がほぼ終了したもの)を受領しており、駅探株主総会を大幅に延期する理由は見当たりません。
1.本株主提案に至る主な経緯
(1)駅探 中村太郎代表取締役社長(以下、「駅探 中村社長」といいます。)への申し入れ【本年3月13日】
駅探は、新型コロナウイルス感染拡大前においても、事業展開の遅滞と企業価値の減少が顕著で、また、当社と連絡を取っている企画・管理部門の社員が頻繁に退職することから、当社は駅探の現社員・元社員に確認したところ、常勤取締役によるパワーハラスメント、大量の退職者やメンタル不調者の発生など、組織運営上の重大な問題が判明しました。状況は深刻であり、部門長クラスはほとんど退職し、9つの部・室のうち、部長(担当部長を除く)は1名しかおらず、他は全て取締役が兼務しています。このような異常な状態が事業展開の遅滞と企業価値の減少を招いている大きな要因であると考えられます。
このため、当社 杉本惠昭代表取締役社長(以下、「当社 杉本社長」といいます。)らが駅探 中村社長らと面談し、①事実関係調査のための第三者委員会の設置、②パワーハラスメントを行った常勤取締役の職務停止、③ガバナンス機能強化のための諮問委員会の設置(メンバーに当社役員2名を含む)と駅探取締役会へのオブザーバー参加、の3点を申し入れました。
その場では、駅探 中村社長から今後どのように取り組んでいくつもりかという意向は示されず、また同席した駅探常勤取締役から、たかが31%の株主がそのようなことを要請するのはいかがなものかという旨の株主を軽視する発言もありましたが、駅探 中村社長がこの発言を諫めるようなことはありませんでした。
(2)駅探 外部調査委員会の設置【本年3月18日付】
駅探より、駅探の社外取締役2名、社外監査役2名、社外の弁護士1名を構成員とする外部調査委員会(委員長は社外監査役)を設置した旨の連絡がありました。しかしながら、この外部調査委員会の委員は、その多くが駅探役員であり、独立性・中立性について問題があり、当社はこの問題を指摘しておりますが、回答はありません。
また、本年4月15日に、外部調査委員会の委員であった社外の弁護士1名が委員を退任し、別の社外の弁護士1名が選任された旨の連絡を受けましたが、この理由や背景については一切説明がありません。
なお、外部調査委員会の設置から2か月経過しているにもかかわらず、現時点において中間報告等はありません。
(3)当社より「要請書」を送付【本年3月19日付】
当社より駅探へ、上記(1)の3点の申し入れについて、改めて「要請書」を送付しました。
また、当社の要請に対して合理的で納得のゆく回答がない場合、本定時株主総会において、当社が駅探経営を負託するに適切と判断する者を駅探取締役候補者とすることを内容とする株主提案権を行使する用意があることを通知しました。
(4)当社より「株主提案権行使に係る請求書」を送付【本年4月20日付】
前記「要請書」に対する反応がなく、一方で、株主総会招集手続(早いケース)を考慮すると、権利行使の機会を失する可能性があったため、本年4月17日開催の当社取締役会において、①取締役7名選任の件、②補欠監査役2名選任の件の二つを議案とする本株主提案を行う旨を決議し、駅探に同4月20日付で「株主提案権行使に係る請求書」を送付しました。その内容は後記「3.本株主提案の概要」の通りです。
(5)その後の経緯
駅探からの申し入れにより、本年4月24日に当社 杉本社長らと駅探 中村社長らとの面談を設定しておりましたが、その前日に一方的にキャンセルされ、その後の連絡はありません。
また当社は、当社以外の駅探株主に仲介をお願いしておりましたが、同5月19日、駅探は当社との話し合いを行うことや当社提案を受け入れる意向が一切ないことが明確となりましたので、今回の開示を行うこととしました。
2.本株主提案の目的
本株主提案の目的は、事業展開の遅滞と企業価値の減少、常勤取締役によるパワーハラスメント、大量の退職者やメンタル不調者の発生など、組織運営上の重大な問題を発生させ、またそれを看過し、かつ株主を軽視する現経営陣の変更であり、それにより駅探の企業価値向上を実現することです。
当社は駅探の常勤取締役によるパワーハラスメントについて、駅探の現社員・元社員から証言を得ており、本年6月に改正労働施策総合推進法(いわゆる「パワハラ防止法」)の施行が予定される中、重大な問題であると考えております。ただし、当社はそれが法令でいうパワーハラスメントに該当するか否かを争う意図はありません。事実として、事業展開の遅滞と企業価値の減少、大量の退職者やメンタル不調者の発生など、組織運営上の重大な問題が現に存在しており、それをもって経営陣変更の理由として十分であると考えます。
当社が提案する新経営陣候補は、以下のような知見を有する、駅探の企業価値向上を実現可能な人物で構成されています。
・駅探事業や組織運営上の課題と可能性
・Web企業マネジメントや事業推進
・上場企業のコーポレートガバナンスやコンプライアンス体制の構築
・駅探重要顧客との関係維持・強化
・MaaS領域での事業展開
3.本株主提案の概要(提案する議題とその要領)
(1)取締役7名選任の件
以下の7名を一括して、駅探の取締役に選任すること。
・現駅探管理職社員の取締役候補者 3名
・現当社取締役の取締役候補者 2名
・社外取締役候補者 2名
なお、候補者7名が取締役に就任した場合、現当社取締役の取締役候補者2名のうち1名を駅探代表取締役社長とすることを候補者間で合意しております。また、その場合、当該候補者は、駅探代表取締役社長の職に注力することとしています。
(2)補欠監査役2名選任の件
以下の2名を、駅探の補欠監査役に選任すること。
・社外の税理士(税理士法人 代表社員) 優先順位1
・現当社取締役監査等委員 優先順位2
当社は、駅探で発生している問題は、駅探取締役に起因するものであり、現時点では駅探監査役3名による監督機能に不十分な点があったとは考えておらず、駅探監査役3名については、その監査役としての責務を継続して果たして頂きたいと考えています。
しかしながら、監査役から辞任の申出があった場合等に、新経営陣のもとで行われる駅探改革の遂行に支障を来すおそれがあることから、補欠監査役の選任を提案するものです。
4.新経営陣の基本方針
駅探の企業価値向上を実現するため、2019年5月14日発表の駅探の中期経営計画で謳われている「MaaS対応新エンジン」の開発、M&A及び事業提携等を積極的に進めることによって、MaaS関連サービス事業者向けのサービス展開をするとともに、働き方改革支援を始めとする様々な企業ニーズに全方位で対応する必要があります。
そこで当社は、駅探の中核を担ってきた、意欲と能力を有する管理職社員を取締役に抜擢するとともに、全国各地で多数の自治体や企業と提携し、MaaSやモビリティサービスの実証実験を手がけている企業から派遣される取締役の知見も活用し、真に実りある改革を進めることを提案します。
(なお、新経営陣は、駅探の中期経営計画の具体的な内容を精査し、必要に応じて修正します。)
また、当社は、新経営陣による駅探の改革を遂行するため、責任ある立場として、単に議決権ベースで3割超を保有する株主という地位を超えて、駅探の経営それ自体に参画します。この決意の一環として、すでに当社は、東証一部上場のAI事業者や小売事業者を含む複数の企業との間で、移動サポート事業領域における各種提携に向けた交渉を開始しております。
さらに、当社は、新経営陣に対し、企業価値及び株主共同の利益向上のため、自己株式消却等の施策についても検討を求める予定です。
以 上
【プレスリリースに関するお問い合わせ先】
株式会社CEホールディングス 経営企画室
TEL:(011) 861-1600
メールアドレス:k-kikaku@ce-hd.co.jp